Swift社製モード測定器復活!

研究


さきほどの話の続きです。
『1848年フランスの岩石学者A. Delesseは顕微鏡を用いる解析にはじめて量的の方法を考え出した。
彼は1種の集合体についてとったまったくランダムな断面では、集合体のおのおのの成分にしめられる
面積は、その岩石塊のなかからとったその体積に正確に比例することを数学的に証明した。』
(計量形態学ーミクロ組織をはかるー内田老鶴圃)


こうした伝統の下、岩石の鉱物量比を測定することは極めて基礎的かつ重要だとされてきました。
初学者の学生にとって、鉱物の鑑定をする技術を身につけることができるので教育的でもあります。
岩石に等間隔でメッシュを引いて、その交点にある鉱物を計測することで岩石中の鉱物量比を測定する作業をモード測定といいます。
このとき、メッシュの間隔は鉱物のサイズに合わせるので、下の花崗岩だと5mmくらいに設定します。


花崗岩のように粗粒な岩石の場合、肉眼でも鉱物鑑定が可能ですが、通常の岩石だと薄片を偏光顕微鏡下で観察する必要があります。
そこで、岩石薄片をある間隔で移動させるというメカニカルステージという装置がイギリスのJames Swift & Sunという会社から発売されていました
価格はなんと60万円超でしたが🤯、当時は大学に運営費交付金など恒常的に研究費が投資されていたので、日本中の岩石学の研究室にこの装置があったと思います。
岩手大学教育学部の地質講座ももれなくこの装置を所有しておりましたが、管理状態が悪く壊れて使用できなくなっていました🥲
そこで今年研究費を16万使用して何とか修理することができました!

ぼくにとっては懐かしのモードカウンターです😊
レトロな装置で、研究をがんばろう!


2024年3月30日18:25